総長様に愛されたい!~溺愛するはずが溺愛される日々が始まりました~
そんなこんなで辿り着いた空き教室の前。
「よし!入ろ……」
「こんにちは」
「……!!」
意気込んだと同時。
突然後ろから声をかけられて反射的に振り向いた。
び、びっくりしたー!
気配無かったよ今!!
「驚くと声が出なくなるタイプなのね。
以外だったわ」
未だバクバクと振動する私の心臓。
その現象を引き起こした張本人はクスクスと優雅に笑っている。
……ていうかこの人、滅茶苦茶綺麗だ。
ボブの髪の毛はピンクベージュで、毛先にかけて明るさが増す。
一見幼く見えそうな髪型だが艶のある髪質と軽く巻かれた毛先が何処か大人びた雰囲気を魅せていた。
それだけじゃない。
一重で大きな瞳と唇に紅くのせられたリップが艶やかさを際立たせている。
ていうかこの容姿、聞き覚えがあるような……。
「もしかして……藤堂 菫さん…?」
「私の名前知ってるのね。
流石は和葉ラブなだけあるわ」