総長様に愛されたい!~溺愛するはずが溺愛される日々が始まりました~

「和葉、お客さん連れて来たわよ」

「ああ?」

「か、和葉くんやっほー。
さっきぶりー」

「………」

やっばいねこれは。
無言の圧が怖すぎる。

二人用のソファーに仰向けで寝転んでいた和葉くん。
ギロッと尖った視線を一瞬送った後、興味なさげに再び目を閉じてしまった。

好きの反対は無関心なんてよく言うけれど、こんなにもそれを痛感することは無いだろう。

「す、菫、ここに女の子は連れて来たらダ……」

「あ!!その子桜ちゃんだよね!?
今話題の!!」

「こら、椎那!」


空き教室の真ん中に置かれた大きなテーブル。
それを囲うように置いてあるソファーは二人用と一人用がそれぞれ二つずつ。

二人用の一つは総長様が占領していて、一人用の方は朝日くんともう一人……金髪の男の子が使っていた。

ていうか“話題の”って何!?
さっき菫さんも同じようなこと言ってたけど……。

本当に相当広まっているみたいだ。

「あの……菫さん」

「ん?」

「これって、和葉くんほんとに寝てます?」

万が一ほんとに寝ていた時のために小声で聞いてみる。

「いえ、起きてるわよ。
和葉は基本人前で寝ないから」

ふーん。へー。ほー。

じゃあどれだけアタックしても睡眠を妨害したことにはならないよね。


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