総長様に愛されたい!~溺愛するはずが溺愛される日々が始まりました~
「おい、言うのか言わないのか。
どっちだ」
「い、言います言います!
勿論言います絶対言います!!」
危なかった。
椎那くんのせいで折角掴み取ったチャンスを逃すところだった。
「なんか今桜ちゃんに睨まれた気がするんだけど気のせい…?」
「き、気のせいですよー。
もう、被害妄想が激しいんだから!」
「椎那あんた……流石に自意識過剰じゃない?……引くわあ」
「え、えええ!?
二人ともおかしくな……」
「おい。答えるならさっさと言え」
「カズまでひどいよ……わざわざ区切らなくても……」
「黙れ椎那」
「はいごめんなさい」
流石は総長様。
椎那くんを一言で黙らせてしまった。
そうして静かになった部屋の中で和葉くんは急かすように私を見つめる。
見つめ返すと例の通り口元がだらしなくなってしまう可能性がある為、少し視線をずらしながら答えることにした。
「まず、ニヤけてたのはですね。
ズバリ、和葉くんの顔が綺麗過ぎたからです」
一人で納得してウンウンと頷く。
また椎那くんが爆笑していた。
今度は思いっきり声を上げて。
私完全に変人扱いされてるよね。