総長様に愛されたい!~溺愛するはずが溺愛される日々が始まりました~


今日はなんと、朝ご飯の目玉焼きが双子だった。それから肌の調子も良くて、髪の毛だって広がることなく満足のいくまとまり具合。

そんな調子の良い日だったから、学校へ向かう足も軽い。

また和葉くんと話せたらいいな、なんて考えながら教室へと足を進めていた…のだけれど。


「ねえ、あの噂の子って、本当にあの子なの?」

「さあ…でも外見は全く一致してるし…」


「いやいやいや、女だぞ?ありえねえだろ」

「でも昨日、総長が珍しく会話したって話だぞ」

「チッ、目障りだな」


昨日とはまた一味違う視線を向けられていることに気がついて、一瞬足を止める。

軽く周りを見渡してみると、女子達は何かを恐れるように目を背け、男子達は威嚇するように睨み返してきた。

先程までの小さな幸せが吹き飛んで、嫌な予感が胸中に広がっていく。




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