総長様に愛されたい!~溺愛するはずが溺愛される日々が始まりました~
「え」
「今なんて言った?」
「あ、ありえないんだけど!!」
「ちょっと可愛いからって調子乗りすぎじゃない!?」
「あーまたか」
「流石は和葉さん。モテるな」
突然の告白に対する反応は人それぞれだ。
男子は主に呆れていて、女子の大体は嫉妬心を剥き出しにする。
でも一番興味を引きたい人は机に肘をついて窓の外を眺めているだけだ。
これだけ目立つやり方をすれば視線くらい向けてくれると思ったんだけど……。
やっぱり手強いな。
仕方なく窓側の一番後ろにある彼の席へと向かった。
そして目の前に立ち、バンッと強く机を叩く。
「私、和葉くんが好きなんだけど。
聞こえてる?」
「………」
「ねえ、聞こえてるよね?
どうして無視するの?」
ここまで大袈裟にアピールしているのにその視線は未だ外へと向けられたまま。
強い…。強すぎる…。
なんとか笑顔を保ってはいるものの内心結構傷ついている。
九条 和葉は女嫌いで有名だ。
それを百も承知の上で、こうして目立つ告白をすることに決めた。
分かっていたこととはいえここまであからさまに無視されるのは辛い……なんて、顔には絶対出さないけど。