契約結婚のはずが、極上弁護士に愛妻指名されました
 瀬名は渚をジッと見てどうすべきかを考えあぐねているようだ。
 渚はその彼をまっすぐに見て、きっぱりと首を振った。

「本当に大丈夫です。おおごとになる方が嫌なんです」

 そしてまたくるりと方向を変えて来た道を戻り始める、瀬名がまだなにか言いかけたような気がしたけれど気が付かないフリをした。

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