契約結婚のはずが、極上弁護士に愛妻指名されました
「まったく……おちおち休んでもいられない。君はもう俺の目が届かないところへ行くんじゃない」

 ぶつぶつと言いながら、バシャバシャと進む和臣に渚は目を白黒させる。
 自分の身体を軽々と持ち上げる腕、すぐ近くにある彼の喉元を直視することができなくて渚はジタバタと暴れた。

「自分で戻れます。お、下ろしてください」

「こら、暴れるな!」

「きゃ~!!」

 バシャンと派手な水が景色に響いて、ふたりはそのまま水の中に倒れ込んだ。
 それほど深くはない場所だとはいえ、尻もちをついてしまったのだから、あっというまにびしょ濡れだ。
 一瞬なにが起きたのかわからなくて渚が唖然としていると、和臣がぷっと吹き出して、そのまま声をあげて笑い出した。
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