契約結婚のはずが、極上弁護士に愛妻指名されました
 目の前の彼に食べられてしまったら自分はいったいどうなってしまうのか、わからなくて少し怖い。
 それでもそうなりたいと、渚の心の一番奥のなにかそれを待ち望んでいる。
 こくりと喉を鳴らして、ゆっくりと首を振ると、和臣が満足そうに微笑んだ。

「優しくするよ」

 豹のような動きで和臣がベッドに乗り上げる。その大きな腕に囚われて、渚はゆっくりと目を閉じた。

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