契約結婚のはずが、極上弁護士に愛妻指名されました
波乱の幕開け
《あら~よかったじゃない》
ハンズフリーにしたスマートフォンから千秋の明るい声がキッチンに響く。
渚はシチューの鍋をゆっくりとかき回しながら、
「うん、ありがたい話だよね」
と答えた。
瀬名和臣との結婚を決めた日から一カ月あまりがたったこの日、渚は瀬名のマンションに引っ越してきた。
瀬名がもともとひとりで住んでいたこの部屋は職場からほど近いタワーマンションの高層階。間取りは3LDKで、ひとつの部屋は寝室、もうひとつは書斎、そしてもうひとつは空き部屋だった。
その空き部屋に、渚は住まわせてもらうことになったのだ。
引っ越しといってもそれほど遠くはない距離だし、最短で一年半の仮住まいなのだと思うと自然と荷物は少なくなる。
しかも千秋とは違い渚はバックも服も靴もあまり持っていないから、運んだ物といえばベッドと机と調理器具くらいで、昼過ぎにはすっかりすべてを運び終えてしまった。
瀬名とはその時に今後についての打ち合わせをした。
住まわせてもらうにあたって渚はいくらかの家賃を払うと主張したがそれは即座に却下された。
ハンズフリーにしたスマートフォンから千秋の明るい声がキッチンに響く。
渚はシチューの鍋をゆっくりとかき回しながら、
「うん、ありがたい話だよね」
と答えた。
瀬名和臣との結婚を決めた日から一カ月あまりがたったこの日、渚は瀬名のマンションに引っ越してきた。
瀬名がもともとひとりで住んでいたこの部屋は職場からほど近いタワーマンションの高層階。間取りは3LDKで、ひとつの部屋は寝室、もうひとつは書斎、そしてもうひとつは空き部屋だった。
その空き部屋に、渚は住まわせてもらうことになったのだ。
引っ越しといってもそれほど遠くはない距離だし、最短で一年半の仮住まいなのだと思うと自然と荷物は少なくなる。
しかも千秋とは違い渚はバックも服も靴もあまり持っていないから、運んだ物といえばベッドと机と調理器具くらいで、昼過ぎにはすっかりすべてを運び終えてしまった。
瀬名とはその時に今後についての打ち合わせをした。
住まわせてもらうにあたって渚はいくらかの家賃を払うと主張したがそれは即座に却下された。