その一瞬を駆け抜けろ!
春休みも残りわずか、平日の午前中、
陸上部は、グラウンドに集合し、
練習メニューを知らされると各々で
アップ、ストレッチを始める。
わたしは、咲とアップをしながら、
自分の中の小さな決意表明をしていた。
『6月の最後の大会、100mで
1位が取れるように、やれるだけ、
やってみる。
さっきクロセンにも話してきた』
そう聞いた咲は、嬉しそうに
「そっかぁ!
わたしも薫を応援するよ!最後に思い切り走ろう!」
と言ってくれた。