その一瞬を駆け抜けろ!
部員が少しずつ、タイムトライアルを終え、
各々、自分の記録と向き合っている。
わたしも
先ほどの後輩と2本目を走り終えた。
「ふぃ……っ…はぁ…はぁ…はぁ…」
と呼吸を整えながら、
OBから、
「薫ちゃん、お疲れさまー。
はい、これ記録用紙ね」
と声をかけられ、計ってもらった
記録が書かれている用紙を渡されると
「はぁ…はぁ…
ありがとうございました…」
と、お礼を言う。
後輩より少し先にゴールしたのは、
なんとなくわかったが、汗で目がかすんでいて、
まだタイムの数字が読み取れないでいた。