その一瞬を駆け抜けろ!

そうして
「もうすこし落ち着いたら、戻っておいで…」

と伝え、俺は微笑みながら薫の頭を
ポンポンとし、立ち上がろうとした。

すると薫が頭に乗せた俺の手を掴み
再び座らせた。

いろいろ聞きたいことがある・・・らしい。

薫は、俺の顔を覗き込みながら、

「なんで、き・・・き・・キス!
いまのキスの意味、ちゃんと教えてください。

わっ…
わたし、初めてだったんですからね!」

と、潤んだ瞳のまま、
少し怒りを含めた視線で訴えられた。
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