その一瞬を駆け抜けろ!
わたしが体育教官室に入ると
クロセンは、
「薫ちゃん、ごめんねー、いま時間、大丈夫?
えっとねー話があったんだわ…」
と言いながら、
机の上の書類をガサガサと探している。
クロセンの机の上は、書類の山でごった返している。
「なにか探しものですかー?」と聞くと
「あった、あった!これだ」といい
薫に封筒を3枚程差し出してきた。
「なんですか?これ…」
「あぁ、大学の学校案内みたいだよ?」
「はぁ…なんでまた?」
「薫ちゃん、成績は、そこそこだよね?
じゃあ大丈夫だと思うんだけど…」という。
クロセンの話が全くわからない。
わたしは、首を傾げながら、
封筒から書類を取り出すと、
確かに学校案内のパンフレットだった。