その一瞬を駆け抜けろ!
「陸上部、入ってよかったですよ。
いままで見えてなかった自分とも
きちんと向き合えたし、大切な仲間もできました。
人前で、喜怒哀楽も
ちゃんと出せるようになりました。
うん、よかったです!」と
わたしが清々しくハッキリと答えると
「それなら、良かった。悔しさだけじゃなく
得られたものも大きかったんだね」
とクロセンは、頷きながら安堵の表情を
見せていた。
「それで、薫ちゃんは、どこか進学するの?」
と聞かれたので
「はい、最近、決めたんですが、
短大で保育士の資格取ろうと思ってて・・・」
というと、
少し驚いたような表情をされたが、
「そっかぁ…保育士になりたいんだね。
良いと思うよ、薫ちゃんにお似合いだ。応援してる!
じゃあ推薦の話は断っておくね」
と言われたので
「ありがとうございます」
と、
クロセンにお礼をいうと体育教官室をあとにした。