その一瞬を駆け抜けろ!
皆、ジャージに着替えると
グラウンドに集合し、アップを始めた。
アップとストレッチがおわると、
いよいよ対決の火蓋が切って落とされる。
トップバッターは、
号令をかけた張本人の公平。
公平は、「咲ちゃん!400メートルでの
勝負をお願いします!!」と挑む。
咲は、
「えーっ?薫じゃなくて、わたしなのー?
しかも400って長いよーたどり着けないって・・」
と泣き言を並べ始めたが、覚悟を決め、
「わたし、最近、走ってないから
じゃあ、じゃあ!
公平、ハンデちょうだいよ、50メートル。」
すると公平
「えぇーっ。まぁ、いいっかぁ…絶対、勝つ!!」
と、ビシッと宣言すると
咲も「受けて立つ!!」と言い残し、
二人が、スタート位置につくとピストルの合図で、
スタートを切った。