その一瞬を駆け抜けろ!


公平の突然の告白にその場にいた全員が、
ポカン…としながら、
頭にハテナを浮かべているのが手に取るように
分かった。

これは、ねるとん、かな?

わたしも同じく呆気に取られていると、

クロセンがようやく

「おぃ…おぃ…公平…?どうした?

ここは、だね・・・
咲ちゃんを送り出すための言葉をだね・・・
伝える場面だとおもうんだけど…

うん、まぁいっか!愛の告白でもな!

で…?咲ちゃん、返事はどうすんだい?」

とクロセンに急かされ、

咲は、顔を真っ赤にしながら、

「おっ…おっ…」
とオットセイのような返事をしている。


「お?」

と周りは固唾を飲みながら見守り、

咲は叫ぶように「お願いします!!」と
公平の右手を両手で包み込んだ。
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