その一瞬を駆け抜けろ!

するとわたしの近くにいたクロセンが、
「パンッパンッ」と手を叩きながら、

「さぁ、みんなーこれが最後の対決だ。
すっごい勝負が見られそうだぞー!

在校生は、
しっかり目に焼き付けておくように!」

と、声をかけると、
全員がゴール付近に移動し始めた。

するとクロセンは、わたしに耳打ちするように

「薫ちゃん、
アイツをコテンパンに打ち負かしてやれ。

苦しかった想いとか、辛かったこと、
全てアイツにぶつけてやれ!健闘を祈る!

俺がスターターやるから」

といい、スタート付近にスタンバイした。

わたしもクロセンからの心強い言葉をもらい

「コテンパンにやっつけちゃいます!」
と返事をすると

沢田さんのアップが終わりそうな頃合いを
見計らい、スタート位置に立つ。
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