その一瞬を駆け抜けろ!
スタートブロックをセットし、
スタートダッシュを2本、走る。
いままでで一番、体が軽く感じる。
これなら行けるかもしれない。
あんな不意打ちキスをした沢田さんに
なにか復讐しなきゃ気持ちが収まらない!
と思って、わたしは、この対決を思いついた。
対決が終わったあとのメッセージも
ちゃんと用意している、
大丈夫、わたし、負けない!
と内なる闘志を秘めていると
隣りレーンに沢田さんがスタンバイを始めた。
二人は、言葉を交わすことなく、集中する。
沢田さんも本気だ・・・。
するとクロセンが
「そろそろいいか?」と確認してきたので
二人は「お願いします」と返事をし
スタートブロックに足をかけた。