その一瞬を駆け抜けろ!

「沢田さん、3年間お世話になり
ありがとうございました。

中学から数えて6年間の陸上生活を
穏やかに終えようとしていたとき

沢田さんが発破をかけてくださりました。

わたしは、走ることが『楽しい』ばかりでなく、
『苦しい』『辛い』と言うことがあることを
知りました。

正直、最後の大会は、
3レースとも、ひたすら苦しかったです。

でもそれを乗り越えられたおかげで、
今の自分があり、殻を打ち破れました。

人前で喜怒哀楽も表に出るように
なったように思います。

これから先、何があっても、自ら立ち向かい、
踏ん張れる力が身についたと思います。

本当にありがとうございました」

と頭を下げると、拍手が湧き上がった。

沢田さんも感無量で胸がつまった様子で

「こちらこそ、いろんな思いを
思い出させてくれてありがとう」

といってくれたので、二人で握手を交わした。
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