その一瞬を駆け抜けろ!
薫、先生になる、嫁になる
あの追いコンから月日が経ち、
ある日の夕方、薫は子どもたちに囲まれて
あの頃と同じように走ってる。
「せんせいーっ!まってよーぉ…せんせい…」
「せんせい、
おとななんだから…ズルいよ…もぉ…」
と小さな抗議を受けている。
ただいま3歳〜5歳の子どもたち相手に
鬼ごっこ中。こちら大人だけど、手加減なし。
「よし、こうなったら、
みんなでせんせいを捕まえようぜ!」
と、一人の男の子が言い出し、
みんなで作戦を練っている様子。
息を整えながら、どうやって逃げ切ろうか、
こちらも思案する。
「いいか?いっせいに、いくぞ!せーのっ!」
「わぁーっ!!」
とみんなで走り出してくる。
マズイ、逃げ道を塞がれた…
あっ、あれっ!?あぁ…と思っているうちに
あちらこちらから、小さな手が伸びてきて、
まんまと捕まってしまった。
「あぁ…まいったー。降参っ!」
と薫は、両手を上げて、降参した。
すると子どもたちは、
「やったぁ!やっとつかまえたーっ!」
と大喜び。
子どもたちのパワーと笑顔は無限大だ。