その一瞬を駆け抜けろ!
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そんな様子を少し離れたところから
俺は目を細めながら眺めていた。
薫の職場まで来たのは、初めてだ。
いつもと違う表情の薫に、
微笑ましく思うと共に
あの少女だったときから変わらない
薫の笑顔に癒やされていた。
薫は、高校卒業後に短大へ行き、
保育士の資格を取得し、
保育園で働き始めて3年がたった。
俺は、薫とのことがあってから、
アスリートに関わる仕事に就きたいと思い、
アスリートのシューズに、携わるため
スポーツ用品メーカーに就職した。
あれから、お互いの生活に変化もあり、
喧嘩やいざこざを乗り越えながら
付き合いを重ねていった。
どんなことがあっても俺たちは、
「別れ」を選ばなかったのは、
やはりお互いに一番大切な存在だと
信じて疑わなかったからだと思う。