本能で恋をする～again～

海斗は凛音しか見えない

１

ある日の終業後。
ピピピ…………
うん？英雄？アイツまさかまた、凛音を―――――
｢もしもし、英雄？｣
『海斗、早く出ろよ』
｢あ？｣
『だから、怖ぇよ！お前声だけで相手殺れんじゃねぇの(笑)？』
｢だからなんだよ！用件早く言え！お前さぁ、俺は凛音にした事まだ許してねぇんだぞ！｣
『わかってるよ…それは散々謝っただろ？』

そうだ、あれから英雄は何度も謝ってくれ、凛音も【大丈夫ですよ。ちゃんとすぐやめてくれたじゃないですか？だから許します】と言っていた。
でもこの俺だ！こんな簡単に許せる訳じゃない。

｢はぁー、で？なんだよ！電話の用件｣
『あっ、急だが今日飲まね？』
｢は？｣

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
｢なんだよ！これ…英雄。飲むんじゃなかったのかよ！｣
｢だってそうでも言わないと、海斗来ないだろ？｣
｢どう考えてもこれ合コンだろ！？｣
｢合コンじゃなくて、街コン？｣
｢俺、帰るぞ！こんなこと凛音が知ったら悲しむ！｣
｢お前は凛音さんしか見えないのかよ！まぁ、あんなに可愛いから、わからんでもないが……｣
｢その通りだよ！俺は凛音しか見えないんだよ！｣

｢なんか変わったな……海斗｣
｢は？｣
｢だって中学・高校の時結構色んな女をとっかえひっかえしてたじゃん！｣
｢女たらしのお前に言われたくねぇよ？｣
｢そうだけどよ。頼むよ！イケメン連れてくって言ったんだよ！｣
｢は？だいたい既婚者ダメだろ！？｣
｢まぁなんとかなんだろ？｣
｢なんとかなんねぇよ！｣
そんな言いあいをしていると、

｢街コン参加の方ですよね？どうぞー｣
｢はーい！ほら、海斗行くぞ！｣
英雄に引っ張られた。


どうすんだよ、俺ー！