本能で恋をする~again~
次の日、会社・社長室―――
「あの…海斗さん?」
「……」
「あの!海斗さん!!」
「へ?何?」
「何ですか?さっきからじっと見て!」
美久は怪訝そうに、俺を見て言った。

「美久はさ、ダイエットとかしないの?」
「は?」
「ちょっと海斗!美久ちゃんに何言ってるの?失礼だよ?」
叶斗が怒ったように言う。
「あ、いや、わりぃ。言い方悪かった。美久はダイエットする事あるかって聞きたかった!」
「それはありますよ。ダイエット位」
「なんで?お前も細いじゃん!」
「そんなの、いつまでも綺麗でいたいからですが…?それに―――」
「それに?」
「好きな人がいたら、尚更ですよ」
「そうなの?」
「えぇ。凛音ダイエット中なんですか?」
「え?」
「だって、海斗さんが女性の話をするってことは、凛音絡みですよね?確かに旅行に行って、少し太ったって言ってました」
「さすがだな!」
「さすが、美久ちゃん!」
叶斗と感心したように言うと、
「当たり前です。誰でもわかりますよ」

「でも、なんで凛音は痩せたいんだ?今だって、折れそうな位細いんだぜ!」
「それはさっきも言ったように、いつまでも綺麗でいたいんですよ!」
「これ以上綺麗になってどうすんだよ!」
「まぁ、確かにそうだよね?」
叶斗も不思議そうだ。

「海斗さんの為ですよ!」
「俺?」
「海斗さんにはいつまでも、可愛いとか綺麗って言ってほしいんですよ、凛音は」
「………」
「だから、あんまり言わないであげて下さいね!」

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