本能で恋をする~again~
「お前、凛音から、離れろ……!!」

変な男が、倒れている凛音の頬に触れていた。
その光景は俺をキレさせるのに、十分な光景だった。

「え…あ、あの、ぼ、僕、ただ、彼女の不安を取り除こうとしただけで――――」
「早くどけ……凛音が穢れる……」
「あ、あの―――うわっ――うごっ―!うぅ―――」
俺に恐怖を感じていて動けないのだろう。
俺はそいつの首の付け根を掴み、放り投げた。

そして凛音を抱え、
「お前、許されると思うなよ……」
「あ、あの…」
「凛音を寝かせたら、すぐ相手してやる…そこで待ってろよ…いいな……!」

ベットに優しく凛音を寝かせる。
「凛音…怖かったね…もう大丈夫だよ…待っててね、すぐ終わらせて抱き締めるからね……」
頭を数回撫で、一平さんに電話をかけた。

「―――。うん。――そう。今度は男。―――わかった。待ってる」
そしてまた“ゴミ”の元に戻った。

「おい…お前、ずっと凛音をつけてたやつ?」
「え…つ、つけてたんじゃ…ただ、彼女が危なくないように、見守ってただけです…」
「でも、凛音はかなり怯えてたらしいじゃん……」
「え…」
「俺はその事さっきまで知らなかったけどな……ほんと情けねぇよ…一宮にさっき初めて聞いたからな」
「僕はただ―――」

ダン―――――!
壁を殴る!少し壁にヒビが入った。
手に血がにじむ。
「もう…しゃべるな…声聞くだけで吐き気がする……」
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