本能で恋をする~again~
ある日の仕事休み、家に君加とカズ、あともう一人凛音と君加の大学生の頃の友達が子ども連れで来ていた。

圭子さんと言って、凛音や君加には劣るが綺麗な女性だ。3歳の息子がいて久しぶりに会いに来たと言う。
圭子さんも、少しきつい性格をしていて何故この二人が、凛音と仲がいいのかわからない。

まぁそれは置いといて、俺も少し離れたとこでこの五人を見ていた。
(だって凛音と離れたくないし!)

君加と、圭子さんは二人子育てについて話していて、凛音はカズと圭子さんの息子・研二の子守りをしていた。
「凛音お姉ちゃん、これ開けて?」
「いいよ!貸して!」
研二が凛音にお菓子を渡し、開けてもらっていた。
「はい!研二くん、どうぞ!」
「ありがと」
「フフフ…美味しい?」
「うん!」
「可愛い~」
凛音が研二の頭を撫でる。

あーいいなぁー!俺も頭撫でられてぇ。
「あっ!こら!研二!ダメでしょ?お菓子は後でねって言ったじゃん!」
「だって、凛音お姉ちゃんが開けてくれたもん!」
「あんたが頼んだんでしょ!?」
パシッ―――――
圭子さんが研二の手を叩く。
「うわぁぁぁーーん」

「けいちゃん、ごめんね!私が勝手に開けたから!」
「凛音も!私に一度聞いてね!凛音は子どもがいないからわからないだろうけど、色々考えてるの!」
「え…。あ、うん。そうだよね…ごめんね…」



言葉は凶器。
と言う言葉がある。
今の言葉は、凛音の心を突き刺すのに十分だった。

この女……。俺の凛音を……!
「海斗!ダメ!私が圭子に話すから!」
君加が小声で言ってきた。

俺は拳を膝の上で、震わせて堪えた。
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