本能で恋をする~again~
一平と海斗。
この二人が一緒になると、まさに鬼に金棒だ。

以前も――――
凛音と二人でカズを連れ、ショッピングしてる時。
私がトイレに行くのに、凛音にカズをキッズルームで見てもらっている時に、トイレから戻るとなにやら凛音が知らない夫婦と揉めていた。

「凛音?どうしたの?」
「あ、きみちゃん!実は……」
どうもカズがこの夫婦の子どもに引っ掻かれて傷つけられたそうだ。
その時この夫婦は全く自分達の子どもを見ていなかったらしく、凛音が注意したらしい。
でも証拠があるのか、変ないちゃもんつけるなとかなり責められたらしい。
凛音は責任をとれと言ってるのではなく、この夫婦にきちんと見ててほしいと言っただけなのだ。
それを夫婦揃って、文句を言って責めるのだ。
そのうち、旦那の方が変なことを言い出した。
「なぁ、旦那だせよ!お前等じゃラチがあかない!」
「は?」
「そうよ!あんた等の旦那だしなよ!」
「え…?でも海斗達には関係ないから…」
「いいの?うちらの旦那ヤバイよ!」
「きみちゃん、ダメだよ!」
凛音はそうなった場合の惨劇を想像し、必死に止める。

でも相手の夫婦はそんなこと、もちろん知らない。
ただ、凛音が怖がっているだけだと思っている。
「はぁー。分かった!ただ、もう知らないからね?凛音。海斗に連絡して!」
「え?嫌だよ!ダメ!きみちゃん!」
「はぁ?何言ってんだよ!出せよ!」
と嫁の方が凛音を軽く突き飛ばす。
「きゃっ!」
「凛音!?あんた達!わかった、呼ぶ。私達どっちの旦那も」
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