本能で恋をする~again~
凛音、初めての感情

「はぁー」
「何?海斗!ため息ばっかだよ!」
「あっ、わりぃ」
「今度は何?凛音ちゃん何があったの?」
「なんで?わかるんだよ!」
「え?逆にわからない人いるの?だから何?」
叶斗が呆れたように言う。

最近、井上さんが凛音のカフェに通っているらしい。
もちろん凛音に何かするようなことはない。
一宮にも気にするようにお願いしてるし、ほんとに実際コーヒーを飲んで話をして帰るだけみたいだ。
話も俺との馴れ初めや、凛音が好きなものなどたわいのない話らしいし。
だからこそ、俺も強く言えない。

一宮の他にまた一人要注意人物が、増えてしまった。

「大変だね!可愛い奥さんもつと……」
「他人事だと思って……!はぁー」

気苦労がたえない。


コンコン―――――
「失礼します。田島です!」
「はい、どうぞ」
「海斗社長!資料をお持ちしました!」
「………」
「海斗社長?」
「あっ、田島さん。そこ置いといて!海斗今ボーッとしてるから」
「あ、はい。承知しました」

「はぁー」
「もう海斗!いい加減にして!!」
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