本能で恋をする~again~
その日から、私はあまり寝れなくなった。
海斗に腕枕されて目を瞑る。その後は寝れるがすぐに目が覚めてしまう。
女性物の香水の香りはそれからも時々、香ってくるのだ。
怖くて海斗に聞けない。香水が移る意味を。


「じゃあ行ってきます。凛音!」
「うん…行ってらっしゃい」
「凛音?体調悪い?」
「ううん。ちょっと眠いなぁってだけ」
「そう?じゃあ行ってくるよ?なんかあったら電話するんだよ!」
「うん」


ガチャン――――
「…っつ!」
最近寝不足で、眩暈までするようになった。
「パート行かなきゃ…」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「凛音ちゃん、大丈夫?」
「はい」
「って、大丈夫じゃないじゃん!顔色悪いよ!今日は帰りな!」
店長が心配してくれて言ってくれた。
「ごめんなさい、じゃあそうさせていただきます」

外に出ると、ちょうど井上さんがカフェに来たとこだった。
「りぃちゃん?」
「あっ、井上さん…」
「大丈夫?顔色悪いよ!」
「はい。今から帰ります!」
「じゃあ送るよ」
「え?大丈夫で――――――」
「危なっ!」

私はそのまま倒れたのだ。

*****凛音 side・終*****
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