本能で恋をする～again～

｢おい！そこ開けろ！｣
｢いえ、そんな訳には………｣
｢どけ！海斗に話がある！｣

｢なんか騒がしいね…｣
叶斗が不思議そうに社長室のドアを見る。
｢だな…｣


ドンッ！ドンッ！バン――――――！

｢おい！海斗！！｣
｢え？井上さん？｣
｢お前、ほんとにりぃちゃんの旦那か！！？｣
｢なんだよ！おっさんになんでそんな事言われなきゃいけねぇんだよ！｣
｢だったら聞くが！りぃちゃんの今の苦しみをわかってるのか？｣
｢は？苦しみ？｣
なんだよ、コイツ……

｢りぃちゃん、今俺の家にいる｣

は―――――？
｢なんでだよ……｣
静かな怒りが込み上がり出す。
｢倒れたんだよ！りぃちゃん｣
｢は？倒れた？｣
｢倒れたって、凛音ちゃん大丈夫なんですか？｣
叶斗が身を乗り出したように、井上さんに聞く。

｢あぁ、医者には診てもらった。寝不足による過労らしい｣
｢過労…？｣
｢そう、過労。海斗！お前が傍にいてなんで気づかねぇんだよ！｣

｢お前の家どこだ！すぐ連れて帰る！｣
｢今のお前には無理だ！連れて帰っても傷つけるだけだ！今日は俺が傍にいる。お前はなんでりぃちゃんが苦しんでいるか、ちゃんと考えろ！｣

ガン――――――！
俺の机を殴る音が響く。
｢うるせぇ……凛音を返せ……｣
｢俺には効かねぇよ！お前がどんなにキレても……｣
井上さんが、出ていく。