本能で恋をする~again~
俺はゆっくりベットに近づき、凛音の顔を覗く。
まだ少し顔色が悪い……。
凛音の頬を撫でようとして、自分の右手が血だらけなのに気づく。
ハンカチで乱暴に傷口を巻いて、再度凛音の頬に触れた。
柔らかくて、すべすべした凛音の肌。
「ごめんな……凛音。気づいてあげられなくて…旦那失格だ……ごめん…」

凛音を抱えて、寝室を出た。
玄関の壁に腕を組んだ、井上さんがもたれかかっていた。
「井上さん、凛音のことありがとう」
「いや、別に…もう苦しめるなよ!次はないぞ!」
「あぁ」

そう言って、家を出た。


【海斗には、俺達にはない恐ろしさがある。敵にまわすと確実に殺られる。凛音ちゃんの存在が海斗の怒りのストッパーだか、逆に凛音ちゃんの存在が闇の入口を開ける。気をつけろよ!】
一平の言葉。
その言葉の意味を今やっと理解する、柊だった。
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