本能で恋をする~again~
「凛音、綺麗になったね…」
「………」
私は馨くんの目が見れなかった。あの日の苦しみや悲しみ、絶望がフラッシュバックするから。
「本当に悪かったと思ってる。嘘ついて付き合って、凛音を傷つけて」
「………」
「俺、離婚したんだ」
「え?」
「あっ、やっと見てくれた…!」
つい顔を上げてしまう。
「そうだったの?」
「うん。俺、さ。凛音のこと忘れられなくて……嫁に離婚を突き付けられたんだ」
「そう…」
「凛音は?結婚、したみたいだね…」
私の左手を見ながら言う。
私は一度結婚指輪をある人に捨てられ、なくしたことがある。その後また海斗が買ってくれた。

「うん。今とっても幸せ…」
「そっか。その人はちゃんと凛音を愛してくれてる?」
「もちろん!愛されすぎてる位だよ!」
「そっか。よかった」

「馨くん、もう行くね」
そう言って、みんなのいる店の方に歩き出した。


「待って!凛音!」
また手を掴まれた。
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