本能で恋をする~again~
「り、凛音…?」
凛音は一人でスタスタと歩き出す。

「ちょっと凛音!?」
「みんな来ないで!一人にして!!」
みんな放心状態だ。
他四人も海斗同様、一度突き放せば海斗の言う通りにすると思っていたのだ。

「さすがにヤバいぞ!海斗」
「僕も思うよ!あんな格好で凛音ちゃん一人だと…」
「だよな!!」
「おい!君加!お前美久ちゃんとここにいろ!」
「え…私も凛音心配なんで、探します!」
「ダメだ!美久ちゃんは自分の身体を一番にして!」
「一平さん…はい、わかりました」
「美久、あっちに座って待ってよ!」
「はい」
「じゃあ男三人よろしく!」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
*****(ここで一度)凛音 side*****
はぁー。なんで私ワガママなんだろ…
「私、最低だ…」
みんな、特に海斗は心配してくれているんだ。
でも、きみちゃんだって水着のままじゃん!美久は身体を冷やさない為にワンピース着てるが、二人だってとても綺麗だ。
二人がよくてどうして私はダメなんだろう。
ナンパされるからだと言うが、それはきみちゃん達だってそうだ。

「もう、やだ!」

「オネーさん!一人?」
「え?」
「俺等と遊ぼっ!」
やだ、ナンパ―――?
どうしよう、海斗に助け――――
あっ、そうだ。一人にしてって言ったんだ。
みんなにも。

自分でなんとかしなきゃ!
「一人じゃありません。急いでます!」
そう言って彼等の反対側に逃げた。
「ちょっと待てよ!」
え?なんで、ついてくんの?
とにかくこの人達を撒いて、みんなのとこに戻ろ!そしてちゃんと謝ろう。
とにかく逃げて―――――
「あの、お客様!」
「え?」
「ここからは潜水プールです。証明書をお願いします」
「え?」
よく見ると、水深1.65mと書いてある。
「165cm!?」
私、身長150㎝位なのに……
でも……
「あっ、いたぞ!」
「あの、すみません。プールには入らないので………」
そう言って、中に入ったのだ。

*****凛音 side・終*****
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