本能で恋をする~again~
「ねぇ、いいじゃんよぉ!」
「嫌です!離して下さい!」
どう見ても凛音より10個は年下なのに、なんとも言えない怖さがあった。
身体も大きい。

「丁度いいから、ここで一緒に潜ろうぜ!俺達が教えるからさ!」
「結構です!離してくだ――――きゃっ!」

バッシャーン―――――
凛音は手を掴まれ、引き離して身をよじった拍子に、そのままプールの中に落ちてしまった。


「凛音!!?」
バッシャーン―――――
「海斗!!」
丁度落ちる瞬間を見ていた、海斗達。
海斗は脇目も振らずに、プールに飛び込んだ。

(苦、し……あ、しつかな……ここ…水…深165………)


数十秒後―――
海斗が凛音を抱え、出てきた。
「海斗!こっちだ!」
一平の声の方に行く、海斗。
「一平さん、凛音を頼む」
一平に凛音を引き渡す。
「あぁ、任せろ!」
一平が凛音を抱え、安全なとこに下ろした。

凛音は医務室に運ばれた。
「大丈夫ですよ。そこまで水も飲んでないようですし」
「よかった」
ホッとするみんな。

「みんなごめんなさい…」
謝る凛音。
パチン――――――!
「え?きみちゃん?」
「君加!おまっ凛音に何を!」
「バカ!!凛音のバカ!!大バカ!!
どんだけ心配したと思ってんの!凛音がそんな可愛い格好で歩いてたら、男達がほっとかないに決まってんでしょ?ナンパして下さいって言ってるようなものよ!」
「そうですよ!凛音!凛音はもっと自分の魅力を理解するべきです!」
「美久…きみちゃん…ごめんなさい…ごめんなさい…」
君加と美久が、泣きながら凛音に訴える。
凛音も泣きながら、謝る。
これがある意味家族と言っていい三人の関係だ。

「海斗も一平さんも、叶斗くんもごめんなさい…助けてくれてありがとう!」
「無事でよかった!」
「でも、海斗とってもカッコよかったよ!脇目も振らず飛び込んで!」
叶斗の言葉。
「あの時は必死だったからな!」
「海斗、ありがとう!」
「当たり前!」
< 93 / 116 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop