ただ、一緒にいたい
愛月の必死の言葉に、スッと頭が冷える。
「ごめん…あずちゃん…ごめんね……」

「もう、大丈夫…?いつもの彰くん?」
「うん…いつもの彰だよ……」
「よかった~」
「ごめん!」
愛月の頬を撫でた。


「彰様!とりあえず、お車に。後は生島と山科が処理します」
「あぁ、頼む。あずちゃん行こう!」
「え?大丈夫なの?救急車呼ばなきゃ!私のこと助けようとしたってちゃんと話さないと……」
「大丈夫…。後は生島達がちゃんとしてくれるよ!」
「そう…?」

車の中で愛月の手をずっと握る。
愛月の手は震えていた。
「あずちゃん…俺が怖い…?」
「え?う、ううん」
目を合わせてくれない。
「怖いよね……ごめん…俺が一番怖がらせてる……」

もうダメかもしれない。
愛月を離してあげないと……どんどん傷つけることになる。
「怖かったよ……私の知ってる彰くんじゃなかったから。でも離れないよ!」
「え…?」
「離れない!!指輪にも誓ったでしょ?」

どうして、俺の心を見透かしたように、欲しい言葉をくれるんだ!
どうしていつも俺の心を守ろうとしてくれるんだ!

どうして…………
どうしてこんなに離れられないんだ。
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