ただ、一緒にいたい
この世の地獄とはどうゆう所なのだろう。
それは誰も知らない。
でも目の前は今、地獄の扉が開いた気がした。


「彰様。お久しぶりですね」
「お前、愛月を離せ…」
「もちろん。でもここであなたが謝ってくれたらね」
「いいよ」
「あ?」
「謝れば、愛月を解放すんだろ?だったら、いくらでも謝るぜ?どうすればいい?土下座?」
そう言って、彰くんは土下座をして、
「あの時は、悪かった」
と地面に頭を擦り付けた。

「彰様!」
岸さん達がびっくりして、彰くんを見ている。
そして、それはここにいるこの人も。

「お前、そんな簡単に土下座できんのかよ…ほんとにあの彰かよ…」

「できるよ。愛月の為ならなんでも」
「彰くん…」
「………」


「彰様…深村、もういいだろ?愛月様を解放しろ!」
「は?なんだよ…これ…こんなつもりじゃ…」
「深村?」
深村さんが狼狽している。
きっと深村さんの中では、彰くんは自分に殴りかかってくると思っていたのだろう。
そのまま殺しあうつもりだったのかもしれない。

「なんだよ…」
「え?」
様子がおかしい……
「なんなんだよ…!」
そして、深村さんは私をとらえた。
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