ただ、一緒にいたい
「え?彰くん?」
そして、また深村さんに向き直り――――

「さぁ、地獄に行こうぜ。一緒に…」
と呟いた。


その後はもう悲惨だった。
気持ち悪くなるくらいの、惨劇だった。
深村さんはなぶり殺しだった。


「彰くん!!やめて!お願い!!」
私は腰が抜けていて、身体が動かない。
必死に彰くんに呼びかけた。
「お願いだから!!もう、深村さん死んじゃうよ!」
「…………」
わたしの言葉なんか全く耳に入ってないようだった。
「愛月様、大丈夫ですか?」
「あっ、岸さん、生島さん、山科さん!彰くんを止めて下さい!私腰が抜けてて彰くんのとこに行けなくて…」
「………」
「あの…みなさん?」
「無理です。もう無理なんです!」
「え?」
「あーなってしまった彰様を、もう誰も止められません!」
「じゃ、じゃあ猛さんに…」
「無理です!ボスでも…」
「きっと今の彰様は、ただの殺戮ロボットです。ただ目の前の敵を排除する為だけの。私達はただあなたを守ることしかできません!高校生の時からずっと…一度キレると、彰様が気のすむまで止まりません」
「どう、して……」
「これは彰様は知らないことですが……親父は…ボスと彰様のお父様はキレた彰様を止めようとして亡くなりました」
「う…そ?」
あまりに辛い、事実だった。
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