ただ、一緒にいたい
そして、一ヶ月後―――――
「彰くん、ここ?」
「そうだよ!」
「こんな凄いマンションに住むの?」
「うん。あずちゃんはお金のこととか何も心配しなくていいからね!」
「彰くん。お金持ちさん?あ、でも会社を経営してるって言ってたからそうか!」
「ここは兄のマンションなんだ。だから家賃とかないし」
「お兄さん?そうなんだぁ!あっ!お兄さんにも今度会わせてね!」
「それはダメだ!!」
「え…?彰くん…?」

ヤバッ…つい、大きな声が―――――――
愛月の目が、恐怖に揺れた。
「あっ…ごめん…あの…兄貴って可愛い子見るとすぐ口説いたりするから…あずちゃん可愛いし、心配なんだ」
「そうなの…?大丈夫だよ!私が好きなのは彰くんだから!八年も忘れられなかったんだよ?そんな簡単に他の人に気持ちがいったりしないよ!」
「そう…だよね…。ごめんね」


「彰様」
「何だ」
「お話中、申し訳ありません。生島と山科を連れて来ました」
「あーそうだったな。あずちゃん、紹介しておきたいんだけど。
俺の部下だよ!左から岸、生島、山科。俺達の周りをうろうろしてると思うから、紹介しておくね」
「そうなんだね!わかった!石田 愛月です。よろしくお願いします!」
ペコッとお辞儀した愛月。
その仕草さえも可愛い。自然と笑みが溢れた。

「こちらこそ、よろしくお願いします。愛月様。私達のことは気にせず生活されて下さい」
「愛月様なんて…!愛月で大丈夫ですよ!」
「いえ。そうゆう訳にはいきません」
「そうなんですか?わかりました」
岸達にニコッと微笑む。
その笑顔に言い様のない、感情を覚えた。

早く二人になりたくて、愛月を促す。
「じゃあ、中入ろうか?」
「うん!」
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