俺のことずっと好きでいろよ


教科書代は、結局担任に言って、本人達に弁償させる形となった。

まあ当たり前の話だ。

けど、あの一件以来、琉希くんのことでわたしに意地悪する女子は居なくなって、学校でも過ごしやすくなった。

やれやれ…

今じゃ時々琉希くんと一緒にご飯食べたりもする。

練習も時々グランドの外から見にいったり…

そのあと一緒に帰ったり…

まるでほんとのカレカノみたい…

さらに高校野球秋季大会…久々に綾川高校野球部は決勝まで勝ち上がった。

ほんとにほんとにここまで来たのは久しぶりのことらしい。

お父さんの株もちょっとあがるかもしれない。

そのお父さんは家でも琉希くんのことを絶賛中。

「あんなキャッチャーに向いてるとは正直スカウトしたときは思わなかったけどな。
ほんとにどこにダイヤの原石が転がってるかなんてわからんもんだ。」

とか…

「これで、あとは笠原がピッチャーとして一皮剥けてくれたらな。甲子園も夢じゃないんだが…」

とか…

ほんとにほんとに夢じゃないかもしれない。
甲子園!
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