俺のことずっと好きでいろよ
そして決勝当日。
相手は甲子園でも常に上位に名前があがってくるような強豪校。
言ってみれば、オオカミに挑むウサギのようなもの。
胸を借りるつもりで挑んでみたのだろうけれど…
ふたを開けてみれば…やっぱり完敗で…
琉希くんもバッティングもふるわず、ピッチャーも打ち込まれて、終わってみれば、8-1。
言葉通りこれが完敗というやつだ。
その日の帰り道。
どうしても会いたくて、めずらしくもわたしからLINEして、琉希くんの最寄り駅の前で待っていた。
そしたら下向いて改札からでてくる琉希くん…。
LINEは既読にはなっていたけど、返信はなかった。
「琉希くん!返事ないよ!」
降りてきた琉希くんに声をかけるわたし。
ゆっくりと顔を上げる琉希くん。
そしてわたしを見てから、むっとした表情で言った。
「俺、だっせーよな。」
わたしの前のちょっと離れたところで立ち止まる。
「何が?」
「何もできなかった…」
「できなかったね…」
「だから、だっせーだろ?」