俺のことずっと好きでいろよ
「みのり。疲れた。」

2学期の期末も無事クリアし、あとは冬休み。
野球部は冬トレで毎日全身筋肉痛と疲労感におしつぶされそうになってる。

毎日ってわけじゃないけど、冬休みに入ってからもときどき練習を見にくるみのりとは一緒に帰る。

「今日も全身痛?」

「もう。おまえの父さん悪魔に見えるわ。」

肩クキクキやりながら悪態をつく俺。
そしてプッと笑うみのり。

「悪魔だね。ほんと。」

「ああ。明日やっとOFFだし。家来て。」

「うん。」

相変わらず休日は一緒にいるけど、しんどくってやっぱ家で会うことが多い。

まぁせいぜい行けても映画とかちょっと買い物とかカフェいったりするくらい。

世間のふつうの高校生カップルはきっと冬休みなんていろんなとこ行ってんだろうけど…

けどもうすぐクリスマスなんていうイベントもあったりするし…
ちょっとくらいなんかしてやらねーとな…

あ、どうせなら…

「あ、やっぱ変更。明日待ち合わせしよ。いつもんとこで。」

「え?うん。買い物行くの?」

「ん。まぁな。それより手は?」

「え?」

そういいながらみのりは周りを見回す。

あんなに俺のこと好きだとかいうくせに、人に見られたりするのははずかしいらしい。

学校から駅までの間、なかなか俺と手をつなごうとしない。
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