俺のことずっと好きでいろよ
「俺がなんで寮帰らないかって?こんなんはじめてなんだけど…原因はいじめだよ。」

「は?」

「俺、寮で結構ひどい扱い受けててさ…戻ったらまた…って思うと…足がすくんで戻れねーんだ。」

いじめ…?

「俺の洗濯物だけかわいたやつまた汚されて明日着る服ないとか…飯の皿わざと床に落とされたりとか…みんなで無視されたりだとか…まあそんなかんじ。」

「はあ?なんだよそれ。いつからだよ?」

コイツ…夏の大会は投げてたし…
秋も投げてたよな。
それより後か?

「最初からなんとなく先輩はうっとおしかったんだよ。けどエスカレートしてきたのは秋大終わってからかな。
先輩だけじゃなくて同級生もひどくなってきて…なんてーの?俺、人とあんま交わらねーじゃん。で、1年から背番号もらって公式戦で投げたりすると…ムカつくらしいわ。出る杭は打たれる…的な…」

翔希は肩をすくめて両手を上げた。

「おまえみたいに人当たりよく振る舞えたらって…今ほど後悔したことない…」

翔希はあげた両手を下に下げてグッと握った。

「けど…無理なんだ。俺には。琉希みたいには…できない…。おまえが…うらやましい。茉祐子も…」

翔希が顔を上げた。

「俺、茉祐子に振られたんだ。」

は?
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