俺のことずっと好きでいろよ
「俺がつまんねーってさ。もっとたのしい人かと思ってたってさ。」

今…茉祐子のこと言う?
みのりいんだぞ…。

ちょっとばかし焦る俺。

「茉祐子の話はもういいよ。それよりおまえ、どうすんだよ?そんなんじゃ寮もどれねーじゃん…」

「ああ。そうなんだよ。どうすっかな。正直…怖い…」

翔希がうつむいてる…

「高校やめる?」

「いや…そんなことできるわけねー。親に…迷惑はかけられねー。」

そうだ。翔希はこういうやつだ。

「おまえさあ。俺のこと羨ましいとか言うけど…おまえのこと…俺はうらやましいって思ってたんだよ。」

「それはピッチャーとしてだろ?そんなんただの生まれつきの…」

「ちがうよ。それは置いといてだ。」

「え?」

「おまえは両親にいつも感謝してるし、迷惑かけないように…自分一人で解決できるやつなんだ。俺は、みんな巻き込まねーと解決できない。だから…友達にも…彼女にも精一杯迷惑ばっかかけてる。おまえは…一人で生きていけるくらい精神的に強いやつなんだよ。」

1人でなんでもできる…
それがずっとうらやましかった…

そして…そんな完璧な男に…
彼女をとられた…

「俺が?強い?」
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