俺のことずっと好きでいろよ
「そうだよ。だから…いじめられてもおまえならきっとはいあがるよ。俺なら無理だけど。」

「え?」

「それでもさ…もう無理って思ったら…そのときは俺に電話してこいよ。話くらい…聞いてやる。」

「琉希…」

「せっかく双子に生まれてきたんだからさ…その片割れにくらい頼れよ。」

翔希は…ほんとはめちゃくちゃ強いやつなんだ。
だから、1人きりのマウンドでも…投げ切って…勝利できる。

「はは…琉希に…そんなこと言われる日が来るなんてな…」

「がんばれよ。翔希。どうしようもなくなったら…監督だって…先生だって…いるし…何より俺がいるから。」

「ああ…そうだな。」

翔希がフフッと笑った。

「ひとつ提案がある。」

「何?」

「おまえの球…受けさせろ。」

「え?」

翔希がキョトンと俺を見た。
そして、しばらく固まってたけど…

突然リビングを出て行って、トントン階段を上り下りする音がしたと思うと、グローブと硬球をもってきた。
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