俺のことずっと好きでいろよ


夏の選手権予選がはじまった。

夏の甲子園に続く大会…。

もちろん…ベスト8までは余裕…の戦いぶり。

琉希くんのキャッチャーも今ではもう、西東京一とか言われてる。

大学関係者なんかが見にきたりもしてる。
結構な有名人になっていた。

琉希くんが有名になればなるほど、わたしたちは外で一緒にいれることが少なくなり…
ほんとに…あの河原がわたしたちのデート場所。

今日はベスト4。

相手は去年甲子園出場してる強豪校だ。

ピッチャーは先発笠原くん。

笠原くんは5回までなんとか2点にくいとめ、そのあと3年のエースの佐々木先輩がかわってマウンドに上がったけど、この先輩がもう連投で疲れていたのか…打ち込まれて一挙3点を上げられ、5-4で負けてしまった。

あー。
やっぱり甲子園は…遠いな…


「今宮くんー。こっち向いてー。」

「キャー。琉希くんー!」

他校の女子たちの黄色い声…

わたしは遠くで琉希くんを見ていた。

負けちゃった…
ちょっと悔しそうな顔してるなー。
最後先輩が打ち込まれたのを…責任…感じてんのかも…

いつもはもう早めに切り上げて帰るのだけど、なんとなく最後までミーティングしてるのを遠くから眺めていた。

今回は晴斗もベンチ入りしてて、一回戦とかの最初の方で投げてもいた。

ミーティング中はみんな硬い顔。
3年の先輩は引退だから泣いてる人たちもいて…

なんとなくしんみりしながら見ていた。
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