俺のことずっと好きでいろよ
8.弟みたいなもん? ~琉希side
2年の夏が終わった。

最後はあっけなかった。

あのとき、佐々木さんを俺がちゃんとリードしてれば…
とか…

最後のチャンスで打てていれば…
とか…

色々思うとこはあるけど…
結局実力不足…

あの相手には去年も負けてる…
あそこに勝たないと…甲子園はない…鍛え直さなきゃな…

そんなこと考えながらバスに乗り込もうとしたとき…だった。

突然かけられた声に俺の頭の奥がビクッと反応するのかわかった。

え?

知ってる声だった。
昔よく隣で笑ってた声。

「茉祐子…」

顔がこわばった。

春大が終わった時から時々スマホに着信があったのは知ってる。

けど…当然俺は無視してたんだけど…

「琉希…こんなときにごめんね。あの…ちゃんと話せないかな?今度でいいから…」

何言ってんの?
話す?

俺が固まってたら…
後ろから咲也がグイッと俺の背中を押した。

「はいごめんねー。今話してる暇ないのー。はい乗った乗ったー。」

咲也に押されるがままに座席に座る。
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