俺のことずっと好きでいろよ
咲也は肩を痛めてるってことをあとから知った。

入学早々意気込んで投げすぎたんだと言っていた。
ピッチャーやってて、それなりにいい球はほるらしい。とそれは周りの噂。

あと、1か月くらい、夏の予選が終わったくらいから復帰できるかな?と言っていた。

「お前、ポジションどこ?」

咲也と最初に会った日にかわした会話。

「どこでも?」

「は?」

「中学はピッチャーやってたけど、翔希に勝てるわけなくて、もうピッチャーは嫌なんだよ。けどそれ以外って言っても…どこやりたいとか特になくってさ。」

怪訝な表情の咲也を横目に話す俺。

「まぁわりとどこでもできんだよな。俺。」

俺は翔希よりすごい球もほれないし、もうピッチャーをヤル気はさらさらない。けどまぁ運動神経はもともといいから、どの守備位置でもそれなりにこなせる自信はあった。
バッティングも悪いほうじゃない。

「ふうん。とりあえず野球好きなわけね?」

「あー…まぁそういうことだ。」

「俺も好きだ。野球。だからへたくそでもやめねぇ。」

咲也はにまっと笑った。
俺も笑って…それで俺たちは仲良くなった。

「まぁ、いい結果祈ってるよ。」

俺の肩をポンと叩く咲也。

「それはおまえな。」

そして、俺もたたき返す。

慎太郎以来の親友になりそうな感じだった。

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