俺のことずっと好きでいろよ
いやいやわたしひとりでやるってこと?
でも、歩いていく後ろ姿もカッコいい…。

やっぱりぼーっと見惚れてたら、麻里(まり)がこちらにやってきた。

「みのり、また目で追ってるよ。昨日振られたんじゃないの?」

彼女は岸田麻里|《きしだまり》。中学からの同級生で、わたしの親友。髪の長いわたしとちがってふわっとしたウエーブがかった肩くらいまでの髪をだいたいはアレンジしてることが多くて、めちゃくちゃうらやましい限りだ。
顔もかわいいし、性格もいいし、ほんとにわたしの大親友。

当然、今宮くんに胸を射抜かれた話はすぐにしたし、昨日告白して玉砕したことも家に帰ってすぐ話した。

「うん。けど、だってやっぱり好きなんだもん。」

「もう、ダメじゃん。そんなの。」

「わかってるけどさ…あ、日誌。とりにいかなきゃ。」

「日直?それもヤツと一緒なんじゃないの?」

麻里と一緒に教室を出て歩き出す。

「うん。けどね。おまえがとりにいけって言われた。きっとやる気ないんじゃないかな。」

「は?もう。一回素出したらもう猫かぶる気なくなったってこと?」

麻里が腕を組んで考え込むかんじ。

「そうなのかも。」

「ふうん。」

そして麻里と一緒にわたしは職員室から日誌をもらって教室に戻った。
一つ後ろの席には何食わぬ顔して座る今宮くんがいた。

やっぱり…何しててもカッコいい…。

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