俺のことずっと好きでいろよ
「そいつ、ポジションどこだよ?」

「内野も外野もこなせる俊足一番バッターってとこかな?」

「ふーん。ま、いいけど。」

「うん。もし入ったらよろしくね。わたしの2番目の弟みたいなもんだから。」

「は…あー。まぁな…。」

めずらしく歯切れの悪い返事をして、琉希くんはちょっと前に出た。

「暗くなってきたし、帰るか?」

「うん。」

「こいよ。」

夕日に照らされた琉希くんのシルエットが手を出してる。

わたしはちょっと小走りに琉希くんのところへ行くと手を握った。

最近じゃいつも…手つなぐの当たり前みたいになってるけど…

ただのフリなのに…こんなことまでしてくれる琉希くん…

ほんとはわたしのことどう思ってるの?

聞きたいけど…
今はこのままで…
わたしが彼女のフリしてるままで…
そばにいれるから…いい…
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