この曇り空は私と似ていた
予想外すぎる言葉に、私は目を見開いた。
私の母は作曲家だっただろうか。いや、そんなわけない。元から歌はあまり歌わない人だし。
「ど、どういうこと?」
「清加がね、まだ幼かった時に子守唄として鼻歌で歌ってたの。適当に作ったから歌詞はないけどね」
適当に鼻歌で歌ってたわりには今、ピアノで弾けてたし、安定感のあるメロディだったから相当考えて作った曲だと誤解してしまう。
とはいえ、子守唄というのは、大体は安定感のあるメロディだ。その方が眠気を誘いやすい。
「だから懐かしさを感じたのか」
「そうよ。いい曲でしょ?」
それは自画自賛なのだろうか。はたまた母を褒めてと甘えているのだろうか。私にはわからない。だけどいい曲と思っているのは変わりない。
「うん!メロディが好き」
そう言いながら一つの疑問を浮かべた。
母が作った曲なら、なぜ美華吏は知っているのだろうか。家族や友達だったわけでもないし、顔見知りでもない。ただ不思議で優しい彼。とても不可解に感じた。
「ふふっ。作曲家じゃないけど、作った曲を褒めてくれたのは嬉しいわ。さてと、運ぶわよ」
母は少し笑って、立ち上がりながら言う。
私もピアノを持つ体勢を整える。
私の母は作曲家だっただろうか。いや、そんなわけない。元から歌はあまり歌わない人だし。
「ど、どういうこと?」
「清加がね、まだ幼かった時に子守唄として鼻歌で歌ってたの。適当に作ったから歌詞はないけどね」
適当に鼻歌で歌ってたわりには今、ピアノで弾けてたし、安定感のあるメロディだったから相当考えて作った曲だと誤解してしまう。
とはいえ、子守唄というのは、大体は安定感のあるメロディだ。その方が眠気を誘いやすい。
「だから懐かしさを感じたのか」
「そうよ。いい曲でしょ?」
それは自画自賛なのだろうか。はたまた母を褒めてと甘えているのだろうか。私にはわからない。だけどいい曲と思っているのは変わりない。
「うん!メロディが好き」
そう言いながら一つの疑問を浮かべた。
母が作った曲なら、なぜ美華吏は知っているのだろうか。家族や友達だったわけでもないし、顔見知りでもない。ただ不思議で優しい彼。とても不可解に感じた。
「ふふっ。作曲家じゃないけど、作った曲を褒めてくれたのは嬉しいわ。さてと、運ぶわよ」
母は少し笑って、立ち上がりながら言う。
私もピアノを持つ体勢を整える。