この曇り空は私と似ていた
走行するうちに車はあっという間にコスモス高校へ着いた。校門では七生が待ってくれている。

「おはよー七生」

私から挨拶をすると、彼女は元気よく返してくれた。どうやら少しの不安はあるものの、受かっていると信じているらしい。

「結果、見に行こっか」

私がそう言うと、二人は私を挟んで並び、三人で結果を見に行く。母達はその後ろを楽しそうに喋りながら歩いていた。

私は唾をごくりと飲み、覚悟を決めた。

精一杯やってきたんだから、結果がどうであれ、後悔はしない。

体育館前に結果が貼り出された。私達はすぐに自分の番号を探す。

私の受験番号は九十一。さて、あるのだろうか。並べられている番号を目でおっていく。

「あった!」

自分の番号を見つけた途端、思わずそう叫んでしまった。

「俺も」

「私もあったよ」

二人はそう言って吹っ切れたような笑顔を浮かべる。

すっかり不安は重みをなくしていた。今は受かれたことへの嬉しさと安心感に満ち溢れている。

「あっ!佳奈と陽果はどうかな?」
< 127 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop